「今持っているエギングタックルを、ショアジギングにも流用したい」
「新しく専用竿を買わずに、まずは手元のロッドで青物を狙ってみたい」
エギングロッドはその汎用性の高さから「万能竿」と呼ばれますが、いざショアジギングに流用するとなると、「どこまで耐えられるのか?」という不安がつきまといますよね。
結論から言うと、代用は可能ですが、「ロッドへの負荷」を正しく理解し、決して無理をさせないことが重要です。今回は、流用時に絶対に守るべき「安全の鉄則」**をわかりやすく解説します。
本記事の内容はあくまで筆者の経験に基づいた「目安」であり、ロッドの破損を防ぐ保証をするものではありません。流用はあくまで自己責任のもと、慎重に行ってください。
スペック比較:数値で見る「軽快さ」と「剛性」の違い
まずは、シマノの人気モデル「コルトスナイパー BB」と「セフィア BB」の2本を比較してみましょう。どちらも「M(ミディアム)」パワーですが、その中身は全くの別物です。
※価格は2026年2月時点のメーカー希望小売価格(税抜)です。
決定的な違い①:自重(110g vs 253g)
長さは約30cmしか変わりませんが自重の差は倍以上。エギングロッドは疲れにくさと感度を出すためにカーボンを薄く巻いた「繊細な名刀」。対するショアジギングロッドは、青物の暴力的な引きに耐えるために肉厚に巻かれた「強靭な剛剣」です。
決定的な違い②:長さ(2.59m vs 2.90m)
長さの差は約30cm。一見わずかですが、ショアジギングにおいてこの「1フィート」の差は絶大です。
- ショアジギングロッド: 長いので遠心力を使いやすく、重いジグを遠くへ飛ばせます。また、足場の高い堤防や磯際で糸を擦らないようコントロールするのにも有利です。
- エギングロッド: 短い分、細かいアクション(しゃくり)が付けやすく、手返しの良さが際立ちます。
設計の違い:脇に「挟みにくい」のが最大の難点
スペック表には現れませんが、実際にロッドを見てみると気づくのが「グリップ(竿尻)の長さ」の違いです。
上側がエギングロッド、下側がショアジギングロッドのグリップ
この画像のショアジギングロッドとエギングロッドでは、グリップエンドからリールシートまでの長さが14cmも違います。
- ショアジギングロッド: リアグリップが長く、竿尻を脇にしっかり挟めるように設計されています。これにより、重いジグを楽にしゃくれたり、大物とのファイトで竿を安定させたりできます。
- エギングロッド: 基本的に手首の返しを活かしたしゃくり方で、リアグリップが短く設計されています。
これにより、エギングロッドでは脇に挟んだ際にショアジギングロッドよりも窮屈さが生まれてしまいます。
実際にエギングロッドを脇に挟んでみると、窮屈な感じがします。
同じ25gでも「ジグ」の方がロッドに厳しい理由
「エギ4号(約25g)が投げられるなら、25gのジグも大丈夫でしょ?」と思われがちですが、実はここが一番の落とし穴です。
「クッション」があるエギと、「鉄の塊」のジグ
- エギ(空気抵抗が大きい): メタルジグより体積が大きく、投げた時に空気を掴むため、ロッドに「ジワッ」と重さが乗ります。
- メタルジグ(空気抵抗が小さい): 小さな鉄の塊なので、投げた瞬間に「ガツン!」と鋭い衝撃がロッドに集中します。
この「瞬間的な衝撃」が、繊細に作られたエギングロッドを折る最大の原因になります。エギングロッドでジグを扱うなら、スペックの上限ギリギリを攻めるのは避け、ワンサイズ軽いジグを選ぶのが賢明です。
流用時に絶対守るべき「4つの鉄則」
ロッドの寿命を延ばし、確実に魚を手にするための実戦的なルールです。
① ジグの重量は「一段階落とす」
たとえば、セフィアBB S86M(エギ25gまで対応)であれば、ジグは「18g〜20g程度まで」を最大限の基準にしましょう。少し余裕を持たせることで、ロッドへのダメージを抑えられます。
② 「フルキャスト」を避ける
ショアジギングロッドのように全力で振り抜くのは控えましょう。ロッドの胴(真ん中あたり)に重さを乗せるイメージで、7〜8割の力でゆったり投げるのがコツです。それでもジグは十分飛びます。
③ フックを「細軸」に変える
ここが盲点です。エギングロッドのパワーでは、ショアジギング用の太い針を魚の口に貫通させるパワーが足りない可能性があります。
「細軸のフック」に交換することで、エギングロッドでも魚の口にスッと刺さるようになります。
④ リーダーは細めに & タモ必須
- リーダー:エギングロッドはショアジギングロッドよりガイドが小さいため、太いリーダーはキャスト時に引っかかり、破損の原因になる可能性がありますので、リーダーは太すぎるものを選ばないようにしましょう。または、垂らしを長めに取り、ラインとリーダーの結び目をガイドに巻き込まないことにすることが重要です。
- 取り込み: エギングロッドでの「抜き上げ」は厳禁です。特に大きな魚は必ずタモ(ネット)を使用してください。
エギングロッド流用の「目安」まとめ
ターゲットのサイズは、パワー負けしない「40cm程度まで」を目安にしましょう。
混雑してる釣り場では、大型の青物がかかった際ロッドのパワー不足により魚に主導権を取られ、周りの方に迷惑をかける可能性がありますので注意しましょう。
| ロッドの硬さ | 適合エギ | 推奨最大ジグ重量(目安) | 適したターゲット |
| ML | MAX 3.5号 | 10g 〜 15g | アジ、小サバ |
| M | MAX 4.0号 | 18g 〜 20g | ツバス、サゴシ |
| MH | MAX 4.5号 | 25g 〜 28g | ハマチ(イナダ)、ヒラメ |
※20g前後のジグを使ったスーパーライトショアジギング(SLS)において、エギングロッドはその軽さと感度で、状況次第ではショアジギング専用竿以上に手返し良く楽しめる武器になります。
まとめ
エギングロッドは、無理なフルキャストを避け、適切な重量(20g前後)のジグを丁寧に扱えば、手持ちの道具を最大限に活かせる最高の流用タックルになります。
しかし、40g以上のジグを遠投して本格的な青物と対峙するなら、やはり「コルトスナイパー」のようなショアジギング専用機が必要です。まずは手元のロッドに軽めのジグと細軸フックをセットして、手軽にショアジギングを体験してみてください!