「フカセ釣りを始めてみたいけれど、仕掛けの種類が多くて何を選べばいいか分からない」

「チヌ(クロダイ)を釣るには、どの仕掛けが一番いいの?」

そんな疑問をお持ちの初心者の方へ向けて、フカセ釣りの仕掛けについて解説します。

フカセ釣りには様々な流派や仕掛けがありますが、今回の記事では以下の3つの仕掛けを紹介します。

  1. 半遊動仕掛け
  2. 全遊動仕掛け
  3. 全遊動沈め釣り仕掛け

この記事では、主にチヌ(クロダイ)釣りを念頭に置きつつ、それぞれの特徴とメリット・デメリット、そして初心者に最もおすすめな仕掛けについて詳しくご紹介します。

結論:初心者はまず「半遊動仕掛け」から!

先に結論をお伝えすると、フカセ釣り初心者が最初に覚えるべきは「半遊動仕掛け」です。

理由はシンプルで、「ウキが沈む=アタリ」という視覚的な分かりやすさがあるためです。また、チヌは海底付近にいることが多い魚なので、タナ(ウキ下の深さ)を固定して底を狙い撃ちできる半遊動仕掛けが、チヌ釣りのセオリーにも適しています。

それでは、各仕掛けの詳細を、図解とともに見ていきましょう。

1. 初心者おすすめNo.1「半遊動仕掛け」

~基本にして王道!タナを決めて底を狙い撃つ~

道糸に「ウキ止め糸」を付けることで、ウキがそれ以上上がらないようにし、設定した深さ(タナ)でエサを漂わせる仕掛けです。

フカセ釣り 半遊動仕掛け図

仕掛けの仕組み

  • ウキ止め糸: あり。ここでウキが止まり、タナが固定されます。
  • ウキ: 浮力のあるウキ(B〜1号など)を使用し、ガン玉(オモリ)で浮力調整をします。初心者には感度と視認性の良い棒ウキがおすすめです。

メリット

  • アタリが明確: 魚が食うとウキが「スパッ」と海中に消し込みます。初心者でも合わせのタイミングが取りやすく、釣った実感が湧きやすいです。
  • 底をキープできる: チヌは底付近にいることが多い魚です。半遊動ならエサを確実に底付近に留めておけるため、チヌの目の前にエサを送り続けられます。
  • 根掛かり対策: 水深に合わせてウキ止めを調整すれば、針が底を引きずりすぎず、根掛かりを減らせます。

デメリット

  • タナの調整が必要: 潮汐の影響で水深が変わるたびに、ウキ止め糸の位置を動かして調整する手間(底取り)が必要です。
  • 風や二枚潮の影響を受けやすい:強風時や二枚潮のときに仕掛けと撒き餌が同調しづらく、釣果に繋がりにくくなります。

どんな時におすすめ?

  • 初めてフカセ釣りをする時
  • チヌ狙いの時(底など特定のタナ狙い)
  • ウキの動きを楽しみたいとき

2. 広範囲を探る「全遊動仕掛け」

~表層から底まで全層を探る~

「ウキ止め糸」を使わず、道糸がウキの中をスルスルと通り抜けていく仕掛けです。仕掛けが馴染むと、ウキは浮いたまま、ハリとエサだけがゆっくり沈んでいきます。

フカセ釣り 全遊動仕掛け図

仕掛けの仕組み

  • ウキ止め糸: なし。
  • ウキ: 0号や00号など、浮力が極めて少ないウキを使うことが多いです。

メリット

  • 全層を探れる: 表層から底までエサが落ちていくため、魚がどの深さにいるか分からない時に有効です。
  • 自然な演出: 軽い仕掛けでゆっくり沈下するため、マキエサと同調しやすく、魚に違和感を与えにくいです。
  • ウキ止めが無い:ウキ止めが無いことにより、魚がウキを引っ張ることがなく、違和感なく食わせることができます。
  • グレ(メジナ)釣りに強い: 底にいるとは限らないグレなど、タナが変わりやすい魚には特に有効です。

デメリット

  • アタリが分かりにくい: ウキが沈まないことも多く、道糸の動きでアタリを取る必要があり、慣れが必要です。
  • 仕掛けの位置がわかりにくい: 今どの深さを釣っているのかイメージしにくく、気づかないうちに根掛かりしたり、逆に浅すぎたりすることがあります。
  • 風や二枚潮に影響を受ける:半遊動仕掛けと同じく、ウキが浮いているため風や二枚潮の影響を受けやすくなっています。

どんな時におすすめ?

  • 魚のいる深さが分からない時
  • 活性が高く、チヌが浮いている時
  • グレ釣りをする時

3. 風対策の切り札「全遊動沈め釣り仕掛け」

~風や二枚潮に負けない実戦仕様~

全遊動の派生形です。「00号」や「000号」といった、水と同じかそれより少し重い比重のウキを使い、ウキごと仕掛け全体を海中に沈めていく釣り方です。

近年のチヌやグレ釣りのトーナメントにおいて席巻している釣法です。

フカセ釣り 全遊動沈め釣り仕掛け図

仕掛けの仕組み

  • ウキ止め糸: なし。
  • ウキ: 撒き餌と同じような速度で沈むように設定されたマイナス浮力のウキ(沈めウキ)を使います。

メリット

  • 風や波の影響を受けにくい:ウキごと沈めてしまうため、強風時や二枚潮でも仕掛けが撒き餌と同調しやすいです。
  • ウキ止めが無い:普通の全遊動と同じくウキ止めが無いことにより、魚がウキを引っ張ることがなく、違和感なく食わせることができます。
  • 深場まで届く: 表面の流れ(上潮)が速くても、その下の本流へ仕掛けを送り込むことができます。

デメリット

  • ウキが見えない: ウキが見えないため、目視での楽しさは減ります。ラインの走りや穂先でアタリを取るため、ウキの動きを見るのが好きな方にはおすすめできません。
  • 操作が難しい: 糸の張り具合(ラインメンディング)が釣果に直結するため、高度な竿さばきが求められます。

どんな時におすすめ?

  • 風や二枚潮の影響で仕掛けが撒き餌と同調しにくいとき
  • 水深が深く、二枚潮(上と下の潮が逆)の時
  • 食い渋る大型のチヌを狙う時

まとめ:状況に合わせた使い分けを

最後に、各仕掛けの使い分けをまとめます。

仕掛け初心者おすすめ度特徴チヌ釣りでの役割
半遊動◎ (推奨)ウキ止めで深さを固定フカセ釣りの基本。特定のタナにいるチヌを確実に狙い撃つ。
全遊動ウキ止めなしで探る活性が高く、チヌが浮いている時や、全層を探る時。
全遊動沈め釣りウキごと沈める強風時や二枚潮など、悪条件下での切り札。

フカセ釣りの面白さは「自分で考えて仕掛けを調整する」ところにありますが、最初は「半遊動仕掛け」で、底取り(水深を測ること)をしっかり行い、ウキが消し込む興奮を味わってください。

それに慣れてきて、二枚潮や魚の活性が読めない日に、全遊動や沈め釣りにステップアップすることをおすすめします。